第71回カンヌ映画祭が中盤に差し掛かった15日(現地時間)、現地のホテルで会った是枝裕和監督(56)の言葉だ。2001年映画『DISTANCE』でカンヌを初めて訪れた次世代監督はいつのまにか日本を代表する巨匠になった。パルム・ドール賞候補であるカンヌ映画祭コンペティション部門への正式出品は今回だけで5度目になる。

新作『万引き家族』は、この日まで公開されたコンペティション部門11本(全体21本)の中で最高の評価を受けている。英字メディア「Screen Daily(スクリーンデイリー)」の星取表(jury grid)では平均3.2点(4点満点)をつけ、フランスのジャン・リュック・ゴダール(3点)や中国のジャ・ジャンクー(2.9点)らを抜いている。また、別のメディア「Variety(バラエティー)」は「さらに成熟し、心を盗む家族映画復帰作」と好評した。公式上映では8分余りのスタンディングオベーションとともに涙を拭う観客も多く見られた。

映画は、初枝(樹木希林扮)の年金と万引きで生計を立てている家族が、寒さに震えていた幼い少女(佐々木みゆ扮)を家に連れてきたことから始まる物語を描いている。今にも崩れそうな狭い家で築いた仲睦まじい彼らの日常に突然の危機が襲う。是枝監督は、5年前のカンヌ国際映画祭審査員賞作『そして父になる』(2013年)で投げかけた問いをもう一度取り上げた。家族を家族たらしめているのは血か、一緒に送った時間か--。ここに共同体が崩壊した日本社会の現実を重ねた。

--物語の着眼となった契機は。

「数年前に、日本では亡くなった親の年金を受け取るために死亡届を出さない詐欺事件が社会的に大きな怒りを買った。はるかに深刻な犯罪も多いのに、人々はなぜこのような軽犯罪にそこまで怒ったのか、深く考えることになった」

--血の混ざらない家族について描いている。

「日本では今も家族は『血縁』というイメージが固定化されている。特に、2011年大地震以降、このような家族の絆を大げさに強調する雰囲気について疑問を感じていた。国際的な状況もある。カンヌで会った多くの人々が、私に『私は里子なんだ』『私には養子がいる』と打ち明ける」

--主人公は社会のセーフティネットから疎外されている。

「日本は経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」


http://japanese.joins.com/article/462/241462.html
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日本人監督がパルムドールに輝いたのは、『地獄門』の衣笠貞之助監督、『影武者』の黒沢明監督、
『楢山節考』『うなぎ』で2回受賞した今村昌平監督に続く4人めということで、大きく報道されましたね。
私もこの映画は是非スクリーンで見てみたいです。
で、是枝監督がこの映画を撮った背景なんですが、これは年々進んでいる日本の貧困問題があります。
2010年、足立区で111歳とされていた男性が白骨化して発見され、
実は30年以上前に死亡していたことが発覚。
死亡届を出さずに年金をもらい続けていたとして、家族は後に詐欺で逮捕されました。
この事件を皮切りに全国で相次いで類似の事件が発覚し、
“消えた高齢者”として社会問題化。年金詐欺として大きなバッシングを浴びたわけです。
これはのちに流行る生活保護バッシングにも通低するわけですが、
日本人は貧困を自己責任とする風潮が強くて、意外にも昔からなんですね。
江戸時代の村社会の史料を読み解くと、助け合いとは程遠いけっこう冷酷な現実があります。
今でいう生活困窮者は村に迷惑をかけた者としてあつかわれ、
屈辱的な日常生活を強いるような厳しい制裁がくだされていました。
近世日本社会は、自己責任観を強烈に内面化していたがために、公権力も含めて社会全体として、
生活困窮者の公的救済は臨時的、限定的なもので構わないとする歴史的特徴を帯びていたといえます。
こう考えると憲法25条が定めた生活困窮者に対する「健康で文化的な最低限度の生活」の保障は、
日本人の精神的DNAレベルではじつは受け入れがたいもののような気がしますね。
弱者がさらに弱者をたたく日本固有の社会現象は相当な年月を経て成熟化しないかぎりなくならないだろう。



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